『テニスの王子様』の過去と現在、そして未来

みなさんは『テニスの王子様』をご存知ですか?

名前すら聞いたことがない、という人は少数派なのではないでしょうか。許斐剛により1999年から2008年まで週刊少年ジャンプで連載され、現在続編にあたる『新テニスの王子様』がジャンプスクエアで連載中の漫画作品です。

ja.wikipedia.org

大人気作品であり、数々のメディアミックスが行われています。

 

ところで、あなたは2021/9/3に公開された映画『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』を見ましたか?

gaga.ne.jp

テニスの王子様』と『新テニスの王子様』を繋ぐ空白の3か月間を描いた作品で、〈Decide〉〈Glory〉の2タイプが上映中です。

当方オタク歴が15年を超えたオタク女なのですが、昨日(9/8)に〈Decide〉〈Glory〉両方見たことで脳みそが沸騰してしまいました。

この高揚した気分が鎮まってしまう前に感想等をまとめていきたいと思います。

 

許斐先生はじめクリエイター陣はこの映画を通して『テニスの王子様』というコンテンツの在り方を表現しているのではないか、と私は感じました。

今回の映画では『テニスの王子様』の最後の戦いである越前VS幸村の場面から始まります。その後アメリカに渡ったリョーマと桜乃が「過去」にタイムスリップし、リョーマの父南次郎や映画オリジナルキャラクターのエメラルドたちと関わり、時には「現代」のキャラクターに時を超えてエールを送ってもらい、困難に立ち向かって自分の力で「未来」を切り開きます。そして最後にはリョーマが『新テニスの王子様』の舞台であるU-17選抜合宿に向かう場面で終わります。


「過去」と「今」そして「未来」、それぞれは単独で存在できません。「過去」があるから「今」があり、「今」があるから「過去」を振り返ることができる。そして「未来」へ繋いでいく。

テニスの王子様』があったから『新テニスの王子様』が始まり、今でも連載を続け人気を不動のものにしていることで『ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン』を従来と違う形で『テニスの王子様』の連載初期のシーンから始めることができた。そして今までに得たファンと、ファンたちと共に作り上げてきたキャラクターたちがいる限り、これからも物語は続いていく。

 

今回の映画はブログ冒頭でも書いた通り『テニスの王子様』と『新テニスの王子様』を「繋ぐ」空白の3か月間を描いた作品です。公式サイトで「繋ぐ」という言葉が使われていたことに意味を感じました。この作品を作ることで『テニスの王子様』は分かれていた流れを1つに繋いだのです。

許斐先生のコメントに「テニプリに一度でも触れた事のある方、そして初めての方々やご家族でも楽しめるように」という記述がありましたが、まさにそのとおりの作品に仕上がっていると思います。(実際にテニプリ初見の人の感想を見たわけではないですが……)

今までの物語を1つに再編し、22年間積み上げてきたものの集大成となる映画です。これを見れば原作もテニミュもキャラソンもテニフェスも「跡部様」という概念もわかります。むしろテニプリのことを詳しく知らない人のほうが楽しめる、なんてこともあるのではないでしょうか。


昔からテニプリのことが好きだった人、友達がハマってたけど読んだことはないな~程度の認識の人、テニプリを全く知らない人、みんな『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』を見てほしい。そして22年間蓄積された圧倒的コンテンツ量を感じてほしい。

そしてみんなで『テニスの王子様』をさらなる未来へ繋ぐ礎になりましょう!

 

 

 

ここからネタバレ込みの感想

 

・とにかく『シアター☆テニフェスpetit!』がすごい

『シアター☆テニフェスpetit!』は映画本編の後に流れるのですが、キャラソン数曲とそれに合わせた映像により「神MAD」としか言えない仕上がりになっています。

公式サイトのNEWSに<Decide><Glory>両方のセットリストが記載されています。見てください。『Love Festival』はもちろん、『Tricolore』『スパイダー』など盛り上がる曲が勢ぞろい!『Love Festival』は公式動画がアップされていますよ!!

https://youtu.be/nTWdgt2n1xo

私は<Glory>を見た時『CHU-BA-FIGHTER』→『勝手に四天フェスタ』→『チャームポイントは泣きボクロ』の流れが完璧に最高すぎて「今すぐにこの動画をマイリスしてえ~~!!!!!」「これが真のニコニコ組曲だったのでは??」という気持ちでいっぱいになりました。でも映画なのでマイリスできないし、一時停止して画面隅までじっくり見ることもできなくて泣いちゃった。もう数年ニコニコ動画を見てないのに突然あの頃の感覚が呼び起こされて怖かったです。

本当に最高だからこそ、声出しの応援上映ができないことが悔やまれる!!!声出しOKだったらここでコール入れてた~!って箇所はいくつもあったし、おそらく制作側もそれを期待していた部分はあったのだろうな……。早く円盤を出すか金曜ロードショーで放送してください!

 

・エメラルドの過去と現代

過去で南次郎の全米オープン決勝のポスターが下がっていた場所、現代では車いすテニスの大会ポスターだった気がする……。確かめていないので不確定です。

リョーマたちが過去に行く前に車いすに乗ったエメラルドの足が映ることから、エメラルドは何らかの事情で(足を悪くして?映画では語られず)テニスを辞めてしまった→映画(過去)でリョーマと対戦する→車いすユーザーになるが、車いすテニスの選手としてテニスを再開する→映画(現代)で大会に出るため会場近くにおり、ラップバトル現場に居合わせた、ってことなのかな。全部妄想ですが……。

エメラルドさんみたいな強くてかっこいい女性キャラがと~っても好きなのでスピンオフでコミカライズしてほしいです(強欲)。ハガレンのアームストロング少将を思い出すかっこよさだった。

 

・エンドロール描き下ろし

許斐先生描き下ろしのイラスト、めちゃくちゃ良かったですね!!!

入場者特典でポストカードがランダム配布されているので、好きなキャラが配布されている週にぜひ劇場に行ってください。個人的には亜久津と壇くんが2人でタカさんの握った寿司を食べてるイラストを見た瞬間心拍数上がりました。

 

・<Decide><Glory>の違い

映画本編でリョーマに言葉を送るキャラが<Decide>では手塚、<Glory>では跡部となっています。私は<Decide>で部活中の手塚が登場するのを先に見ていたので、<Glory>でも跡部が部活をしている様子が流れるのかな?と思っていたんですけど、突然跡部のサービスシーンが始まったので度肝を抜かれてしまった。詳しくは劇場で確認してください。本当にビビりました。

個人的にはテニプリ初見の人は<Decide>、少しだけ知っている人は<Glory>を見るのがいいかな、と思いました。なんとなくですが。オタクは両バージョン見ましょう。

 

・どうでもいい話

映画本編ラスト、リョーマと南次郎の対戦時に他キャラクターが空から召喚されますが(そうとしか表現できない)、その瞬間『劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来』のことを思い出しました。あれも空から未来からの助っ人が降ってきたよね。懐かしいね。