インプラントとカラーボックス

今までのあらすじ:
中学の夏、チャリで駅まで向かっていたところ真正面からセミが髪の中に突っ込んできた。耳元で鳴るセミの羽音に恐怖を感じ頭をぶんぶん振ったところ顔から転倒、歯が一本欠けて(右上2番)一本脱臼した(右上3番)。
右上3番の歯はそれをきっかけに神経が死に、しかし特に痛みもなかったため放置していた。ところが2020年10月、突然の痛み発生。その痛み自体はすぐ引いたがこれを機に神経を抜いて被せ物をすることを決意。
ところが治療中何度も襲いかかる激しい痛み。膿発生→歯の内圧上昇による痛みは想像を絶するものだし痛み止めも全然効かない!やっとの思いで半年かけて根管治療終了に至ったが、2021年末に痛み再発。
どれだけ再治療しても再発に怯えなければいけない状態と、通っていた歯医者そのものに嫌気がさし、抜歯とインプラント治療を決意。他院に転院し、2022年4月に右上3番を抜歯したのであった…。

というわけでインプラント手術(1回目)やってきました。若くしてインプラントするのって珍しいだろうし記録しとこ〜って思って。
私の場合は膿が歯根先端のあたりだけではなく横側にも発生していて、完璧に治療するのは難しいかも…という話だったのでスパッと抜歯に踏み切ってしまいました。もともと10年前に死ぬ運命やったんや。
とはいえどういう治療を選択するかは人それぞれなので参考までにどうぞ。




・当日は2時間前までに食事を済ませ、化粧は禁止。最初に仮歯を取り、簡単な歯の掃除。2週間前にちゃんとした歯石取りはしている。ここで麻酔もする。塗る麻酔→注射の麻酔なので痛くはない。

・一通り終わったら手術室に移動。右手人差し指にパルスオキシメーター、左腕に血圧計をつけられる。抗生剤と痛み止めと胃薬を飲む。音楽はなんかいい感じのクラシックが流れていたけど、なんかいい感じの音量だったためほぼ覚えてない。メンバーは2人、インプラント認定医・指導医の先生がメインでオペをして、もう一人の先生は指導されながら補佐するといった感じ。

・術部だけ露出するように粘着性のある滅菌シートをつけられ、開口器?もつける。視界がシートでふさがれているのでここらへんからなにもわからなくなる。手術の開始すら最初気づかなかった。「しっかり剥離してね〜」みたいな声掛けですでに自分の歯肉にメスが入って剥がされていることがわかった。

・痛くはない。しかし物理的な圧がかかるので「これ大丈夫か?」という気になる。私は「これ大丈夫か?」と思ったらちょっと嫌がるそぶりを見せて中断と説明を要求していた。なにをされてるかさっぱりわからないので、中継映像と実況がほしかった。事細かに「今から穴あけますね〜」「骨削ってま〜す」「縫合しますね〜」言ってくれたほうがおもろいやろ。

・骨にドリルで穴をあけているときは電動ドライバーでネジを差し込まれる組立家具の気分になっていた。私はカラーボックスを組み立てるときですらネジが斜めになることがあるのでインプラント歯科医には向いてないなあ、など考えていた。たぶんだけどインプラント歯科医って家具の組み立てめちゃくちゃうまいと思う。

インプラント挿入のための角度とか位置とか色々調整したり確認したりしていたようだった。大事なところ。手術の終盤で指導を受けていた側の歯医者が「すごいなあ…」と漏らしていて笑ってしまった。いい指導を受けられて良かったね。

・一時間程度で手術終了。滅菌シートを剥がすときが一番痛かった。その後レントゲン撮影をして最終確認、バッチリですとのことで終了。事前のCT結果では骨が足りないから骨補填剤使う予定だったけど、思っていたより再生していたということで自己骨でどうにかなった。サンキュー、私の再生能力。3万円浮いたよ。


こんな感じのインプラント手術でした。
歯科治療が苦手ではないうえ、かなり痛みと恐怖に鈍感な自覚はあるのでなんの参考にもならないかもしれない……。
術後2日目だけど痛みはなし。顔は腫れてるけど想像の範囲内なので問題なし。切開したラインにはかさぶたのような血餅ができている。食事も支障なし。
手術そのものは歯医者苦手な人は相当怖いだろうな~といった印象です。
私みたいに10年放置して痛い思いしたうえに抜歯、ってことにならないように気になる歯の治療はまめに行いましょう。