スマイレージ増員発表～正規メンバー昇格までを振り返る
こちらは #竹内朱莉アドベントカレンダー 6月2日の文章です。
#竹内朱莉アドベントカレンダー は2023年6月21日をもってアンジュルムを卒業される竹内朱莉さんの新たな門出を祝福したい！という趣旨の企画です。
はじめに
竹内朱莉さん、ご卒業おめでとうございます。
また、ご卒業にあたってアドベントカレンダーを企画していただいた皆さま、ありがとうございます。
私は4スマ時代からオタクをしており、ずっと和田彩花さんのことが好きです。直接的な推しではないからこそ「竹内さん（2期メンバー）を取り巻いていた当時の状況」を書き記すことができるし、その必要があるなと思って参加しました。
いわゆる6スマになってからのことは多くの人によって語られています。しかし私にとって2期メンバーといえば「サブメンバーとして加入～横浜BLITZで正規メンバー昇格」の時期がかなり印象に残っているのです。
当時の私の幼稚な感情なども含まれますが、スマイレージと私との思い出話を聞いていただけると幸いです。
出会い
私とスマイレージとの出会いは…お恥ずかしながら『VIPまとめスレ』である。
当時の私は毎日毎日まとめサイトを見漁っており、その中の「今のハロプロを知ってくれ！」的なスレタイを何も考えずにポチーと押し、>>1が一生懸命ハロプロ、当時のモベキマスについて語っているのを眺めていた。正直言ってスレの内容は全く覚えていない。なにかに心を動かされたか、はたまたノリでクリックしたかは定かでないが、貼られていた「夢見る15歳」のリンクをとりあえず踏んでMVを見たことがきっかけだった。
めちゃくちゃかわいい。
衝撃だった。あまりにかわいすぎた。
次の日に姉とカラオケに行ったのだが、1日で一生懸命スマイレージの曲を覚えて歌った。
ずっと二次元オタクをしてきたのに、人生で初めてボカロ以外のCDを買った。
人生で初めてライブに行った。
近くのおじさんをまねて大声でコールや名前を叫んだ。フリコピをした。
あやちょのことが大好きになった。
2010年、時はアイドル戦国時代。
この『アイドル戦国時代』という単語をアイドル側が使い始めたのは福田花音さんが最初ということは覚えておいたほうがいい。*1テストに出ます。
当時スマイレージは『ピンチケ』*2の多い、治安の悪い現場とされていた。実際、他の現場と比較するとかなり若い人間が多く揉め事も正直多かったが、私はあまりオタクとの交流をしていなかったので詳しくない。常に#smileageのハッシュタグにこんなピンチケがいたなどの注意喚起や愚痴が流れていたのは覚えている。（若いというだけでピンチケだと一括りに扱われてTwitterでキレたりもしていた）
でもとにかく勢いがあった。テレビにも頻繁に出ていて一般知名度があったし、対バンに出て行っては「また我が軍が大勝利www」という内容のスレが狼*3にバンバン立っていた。
一方で「日本一スカートの短いアイドル」というキャッチコピーや、「がんばらなくてもええねんで！」の振り付けなどを見て「パンツ見せアイドル」と叩くスレも狼以外では多かった。スレの話ばっかしすぎだろと自分でも思うが、マジで毎日多種多様なまとめサイトを見ていたから…。本当は教育に悪いので見すぎないほうがいい。*4
色々な意見があったが、当時のスマイレージの勢いがすごかったのは事実だと記憶している。
増員発表
2011/5/29、スマイレージの新メンバーが募集されるというニュースが発表されたとき、私は宝塚にいた。友人と宙組公演「美しき生涯」*5を観劇したところだった。
当時からのオタクは覚えているだろう、賛否両論どころか否がほぼ100％だった。それは私も例外ではない。山里亮太さん*6がこの件に言及したツイートを見た友人に増員について伝えられたとき、最初は「ガセネタでしょ」と一蹴した。事実だとわかったとき、本当に頭が真っ白になって、宝塚のロッテリアで大号泣した。
友人はそれ以来ロッテリアを見るたびに号泣している私を思い出すようになったらしい。可哀想なことをしたと思うが、それくらいショックだった。なにもかも完璧なグループに誰かが入るなんて考えられなかった。
おかげで「美しき生涯」の内容は何一つ覚えていない。
「スマイレージが4人じゃやっていけないから追加する」んじゃなくて「今の4人なら追加してもスマイレージをやっていける」って判断だと思うんだよね #smileage
— とざまさん (@tozamasan) 2011年5月29日
色々な意見を見て、新メンバーを追加することは受けいれたものの、オーディションの様子を追う気にはなれず。ニコニコ動画で配信されていたはずだが、本当に一切見なかった。サブメンバーとしてお披露目された様子は見て、サブメンバーってなんやねんともにゃもにゃ言ったくらい。5人の名前や顔をまともに覚えようともしなかった。
一応弁解させてもらうが、この時期は本当に色々なことがあって疲弊していた。当時のツイートを見返してみると、7月は「4人最後」商法でイベントを打ちまくり、2011/8/3「有頂天LOVE」発売、8/14サブメンバー発表、8/18生スマ*7突然の終了、8/24小川紗季ちゃん卒業発表、8/27東別院ホールの「有頂天LOVE」シリアルイベントにて小川紗季ちゃん卒業、9/6（おそらく）「タチアガール」リリース告知、9/9小数賀芙由香さん脱退、9/18サブメンバーによる「笑顔うpキャンペーン！」*8開催告知、9/28「タチアガール」発売という怒涛の展開だった。当時はリリースのスパンが短かったとはいえ、さすがにこれはオタクもメンバーも可哀想だろ。
ちなみに9月は他グループも色々な展開があった。9/1「ブスにならない哲学」リリース告知、9/17めちゃイケ「AKB48以外だらけの大運動会」放送、9/29モーニング娘。10期加入、9/30高橋愛ちゃん卒業などなど…時代が変わっている真っ最中だった。
さて転機が訪れたのは2011/9/19、「タチアガール」の販促イベントである。
シングル発売前に全国のショッピングセンターを行脚する恒例のイベントで、私はサブメンバーの詳細をいまだに把握しないままアリオ鳳*9に向かった。
そこでまた衝撃が走る。
生で見た中西香菜ちゃんがかわいすぎたのだ。
竹内朱莉さんちゃうんかい！というツッコミが聞こえてきそうだが、本当にちょっとびっくりするくらい白くて華奢でかわいくて、愚かな私はその場でメロメロになってしまった。当時の私曰く、「ぁまのじゃく」のころのかにょんに似た可愛さがあったらしい。単純すぎなの私…。（古参アピールポイント：ハマった当時の愛称は「かなな」だったが、知らん間に「かななん」に収束していた）
無事に（？）手のひら返しをした後はちゃんと情報も追った。先述した「笑顔うpキャンペーン！」で、四ツ橋の学校や心斎橋にかななんが出没した！という情報をTwitterで見ては学校帰りに無意味に心斎橋をウロウロしていた。残念ながら遭遇はできなかったが…
このとき、「笑顔うpキャンペーン！」の告知と同時に、10/16に横浜BLITZで開催されるタチアガールのシリアルイベントにて、サブメンバーが正規メンバーに昇格するかどうかを発表することも告知されていた。私はどうしてもかななんが昇格する様子を見届けたくなってしまい、応募を決意。
そのイベントは2回回し。CDを複数枚買っているとはいえ、せいぜい特典ポスターを集めるくらいだったので4、5枚程度。本当は両方入りたかったが応募枚数が心もとない。というかそもそも関西住みの高校生なので、親の許可がないと行けない。考え悩んだ末に「発表があるのは1回目だろう」という直感に賭けて1回目のみ応募した。
親に頭を下げたところ、イベントと親の用事が被っていて関東に連れて行ってもらえることになった。あまり枚数を買えていないがシリイベに当選することもできた。こうして私は本当に運良く横浜に向かうことになったのだ。
横浜BLITZ 正規メンバー昇格発表
2011/10/16、無事に私は横浜の地に降り立っていた。
ここで一つ当時のスタッフさんに謝っておかなければならないことがある。私は全く財布にお金を入れていなかった。キャッシュカードも持ち歩いていなかった。入場口のスタッフさんにチケットをもらったあと「ドリンク代500円です」と言われて、「えっ…持っていないです…」と答えるしかできなかったのである…。アホちゃんすぎる。ダ・ヴィンチ・恐山のエピソードかってくらいアホ。*10
入場できるか？追い出されるか？めちゃくちゃ冷や汗をかいたが、上司っぽい人とスタッフさんが話して「今回はいいです。今度から気をつけてください。」と言われて無罪放免となった。まあ明らかに学生の子どもが真っ青になってたらそら見逃すやろと今では思えるが、本当に安心した。まさか500円も持ってきてないカスが来るとはスタッフさんも予想だにしなかっただろうな。
入場で大ポカをやらかしたのにも関わらず、席は最下手の最前だった。無駄に運がいい。
さらにMC中につんくからのサプライズムービーも流れはじめた。そう、私は賭けに勝ち「サブメンバーが正規メンバーに昇格する歴史的瞬間」に立ち会えることになったのである。この年度の運を使い切った瞬間だった。
ホワイトボード上でメンバーの写真が動かされる。サブメンバー側から正規メンバー側にメンバーが移っていく中、最後までかななんは残されていた。泣いている彼女に届いてほしくて「かななんーーーーーー！！！！！！！！」と大声で叫んだ。
結果は皆さん知っての通り、全員昇格。メンバー全員大号泣しながらまた数曲歌い、イベントは終わった。
「正規メンバー昇格は既定路線でしょ？」と思う方がおられるかもしれないが、少なくとも私は全くそう思っていなかった。相変わらずサブメンバーへの風当たりは強かったし、全員落として初期メンだけでやれと言うオタクも少なからず存在した。なにより私はそのときつんくへの信頼がゼロになっていたので「つんくなら落としかねない」とずっと思っていた。戦々恐々としながらイベントに挑んだのだ。
2023年の今、こんな緊迫感のあるイベントを企画することはできないだろう。絶対にしないほうがいい。「昇格するかしないか、一般人になる可能性すらある人事を本人と観客の目の前で発表する」なんて正気の沙汰じゃない。オタクですら辛かった3か月間、サブメンバーたちがどんな気持ちでいたかは想像に難くない。
ちょうど5/23に新メンバー加入のお知らせが掲載され、そのあまりにもあっさりとした発表の方法が議論を呼んだが、今まで様々な悪手を見てきた身としてはこのくらいの温度感でいいのかもしれないとすら思った。宝塚の組替えだってこんな感じだし。メンバー本人に批判が集まらずにストレスがかからないなら何でもいい。
そして横浜アリーナへ
昇格から6スマを経てアンジュルムになって今に至るまで、彼女たちの道は決して平坦ではなかった。こんなに大きいグループになってくれたのは、そのときどきの「今」のメンバーたちが精一杯の行いをしたからである。横アリを埋めるグループになるなんて考えてもみなかった。最近の活躍を知るたびに「アンジュルム…マジで売れたな……」とつぶやいている。
<寂しがり繊細な 男の子も めっちゃ 守ってあげるような ほんとの強さ 本気で感じてよ>
<寂しがり繊細な男の子>というワードを聞いたとき、かつて2期メンバーを叩いていた人間たちのことを思い出した。4人のスマイレージが失われることを受け入れられず、攻撃することで心を守ってしまった人たち。男女問わず大勢いたそんな人たちも<めっちゃ守ってあげるようなほんとの強さ>を手に入れた竹内朱莉さんとアンジュルム。強くて美しくてまばゆい人たちだ。
しかし…あえて言うと、強さを手に入れたとはいえ『竹内朱莉さんや2期メンバーが受けた苦痛』を今後は絶対に繰り返してはならない。今までのハロプロの歴史で、オタクからの猛バッシングを受けていたメンバーはスマイレージ2期メンバーだけでなく複数存在する。そんなこと二度と許してはならないのだ。ハロプロが今後も続いていくために。アイドルという、なんでもできるすばらしい職業のことを、メンバーもオタクも愛していけるように。
アンジュルムのことを、今では当時ほどの熱量を持って応援しているわけではない。なにしろ出会ってから10年以上経っているのだ。アイドル戦国時代も終わり、アイドル界の雰囲気も様変わりした。10年先でも今と一緒くらい愛せるとは証明できなかったが、それでも一番熱をあげていた時期の感覚は私の中に大切に残っている。
改めて、竹内朱莉さん。ご卒業おめでとうございます。
横浜BLITZから正式に始まったあなたのアイドル人生が、満員の横浜アリーナで結実する日を、心から楽しみにしています。
おまけ
思い出保存系オタク
当時のチケット代5500円だって。安いね。
この記事を書くためにかつての自分のツイートを見返したんだけど、あまりにも無邪気で無神経で怖すぎる。色々な良くない価値観を内面化したキメラ。絶対にこのとき殺しておいたほうがよかっただろ！と思ったけど、みんな、殺さないでいてくれてありがとう。長くつるんでる友人たち、見捨てないでいてくれてありがとう。これからも成長を見守っていてください……
*1:https://ch.nicovideo.jp/fabloid/blomaga/ar495443 諸説あります
*2:当時AKB48の中高生向け劇場チケットが安く販売されており、その色がピンクだったことが語源
*3:2ちゃんねる（現在の5ちゃんねる）に存在し、ハロプロ関連の話題を扱う「モ娘（狼）板」のこと
*4:でも楽しかったんだよ～哲学ニュースnwkの管理人が突然℃-uteのなっきぃにハマったときとか最高に面白かった
*5:https://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/11/cosmos_takarazuka_utsukushiki/index.html
*6:当時は色々なアイドルについて「要チェックや！」と軽率にコメントしていてちょっとウザかった
*8:ニュース詳細｜ハロー！プロジェクト オフィシャルサイト えがおうっぴーキャンペーンと読みます
*9:アリオ鳳｜大阪府堺市のショッピングモール 何度もイベントでお世話になりました
*10:https://www.youtube.com/watch?v=HZ1LONiaoAI 好きなアホちゃんエピソード 聞いてみてね
